今回においては内容がどうのという前に展覧会が開けたと云う事それ自体を、まず喜ぶべきだと思う。
だが、それにしても今年の展覧会の中身は素晴らしかった。
例年の水準に比べても少しも見劣りしないどころか、はるかに凌いでいる力作が多数見受けられたのである。
人物画では、トラムの中でたたずむ人を温かいまなざしで見つめた作品が印象的であったし、風景画でさえ里山や公園の中にどこか人の温もりを込めた傑作が目についた。
つくづく日象展は人が中心の展覧会だと云う事実に気づかされたのである。
文字通り街中のピアノ2台を白黒で描いた佳作があるところなど、日象展以外では到底見受けられない景色であろう。
さらに小品部門では、写真的で緻密な描写が多く、紙彩画や押し花などのア-トフラワ-のコ-ナ-の夢を追い求めた空間とはまことに対照的であった。
いずれにしても、新型コロナ禍以降の美術界は日象展が中心となって廻っていく事を確信させる会場であったことをここにご報告しておきたいと
思う。
今回、表彰式では会場での人数制限の為、美術評論家の先生 方から入賞作品個別の講評を戴けなく、急遽上記の 勅使河原先生から総評を戴いた。(広報局)
【会期中の様子】
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日本画会場風景 |
洋画会場風景 |
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工芸会場風景 |
小作品会場風景 |
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写真会場風景 |
紙彩画会場風景 |
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