日象展は今年も「生」を試みる場だ!
一年ぶりに日象展を心ゆくまで楽しませてもらう。/女を描くとき、男にはいくら取り払っても、拭いきれない何かがつきまとう。それがここでは乙女のはつらつ生気にのみ神経が集中。けだし真似のできる境地ではない。八田敏郎「ポ-ズする女」/
岩に表情がある。それも年を経た人の表情が。これはもはや風景画でなく、岩に人間の理想を託す人生画と云っていい。玉置光男「孤高」/ 白地に青い扉がいくつも続く清潔な通り。そこを人は足早に、まるで何からにげるように遠ざかる。微かにドラマの予兆も。遠藤一子「裏通り」/愛らしい少女があどけなく笑う。一点の淀みもない幸福の極みなのに、悲しみのえい翳が忍び寄っているのは
またどうしてだろう。謝 林「シリアの花売り娘」/ご挨拶に出かける舞妓たちを、甲斐々々しく世話する置き屋の「おかあさん」。細かい気配りが芸妓への成長を促す。村田芳子「ご挨拶に」/表情の機微をこの世にない霊魂にまで追い求める能面世界の幽玄。町田
喜代司「怪士・孫次郎」/岩の上の人は目いっぱい両手を広げる。これもまた平和を願う形の一つか。中野豊士「平和への祈り(ノルウエ-)」/こうして今年もまた、日象展はそれぞれの「生」の形を追い求める、壮絶なまでの試みの場なのだった。
今回も表彰式では会場への人数制限により、美術評論家の先生から入賞作品への個別の講評を戴けなく、今特集では全作品を通して の勅使河原先生から総評を戴いた。
尚 上位受賞者には個々に会場の作品横に勅使河原先生の講評を表示させてもらった。 (広報局)
【会期中の様子】
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日本画会場風景 |
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